2006/06/20

お年寄り「寝耳」に増税 住民税の老年者控除全廃

健康保険料・介護保険料、住民税の通知時期になり、老年者控除が全廃になり、高齢者の負担がいっきょに増えたことで、各地で大きな問題になっています。障害者自立支援法といい、小泉の格差拡大内閣の矛盾がいよいよ露わに。

朝日新聞2006/6/18。
http://www.asahi.com/life/update/0618/001.html

所得1000万円以下の場合にあった老年者控除が全廃となり、年金生活者のための控除も縮小されたためだ。前年度に比べ、収入は変わらないのに10倍前後に跳ね上がった人もいる長年、非課税だった所得税も同様に除の改廃があったため、05年分として、初めて約4万2000円を徴収された。所得額などをもとに算定する国民健康保険料は約3万5000円アップ。介護保険料も約2万円増える見通しだ。

神戸新聞2006/6/16
「優遇税制見直しで高齢者 各区役所に問い合わせ殺到」

 神戸市が十五日までに順次発送した市県民税、国民健康保険(国保)料、介護保険料の納付通知書が市民に届き始め、高齢者優遇税制の見直しで大幅な税額アップとなった六十五歳以上の年金受給者らが説明を求め、各区役所に殺到している。十五日、救済措置を求める市民団体の署名活動には行列もできた。(勝沼直子、広畑千春、高田康夫)

 二〇〇六年度の税制改正で、高齢者の非課税限度額が廃止され、公的年金控除も縮小された。国保料や介護保険料は原則、住民税を基準に算定されるため、前年と収入が同じでも二倍以上に跳ね上がるケースがある。
 市によると、税制改正の影響を受ける六十五歳以上の加入者は、国保で約二万五千人、介護保険で約三万五千人。市は、急激な負担増を緩和するため国の軽減策に加えて市独自の軽減措置を実施し、広報紙や説明会で事前PRをしてきた。

 しかし、国保料の通知が届き始めた十四日午後だけで市が設置した専用臨時電話に約二百件の問い合わせがあった。「計算間違いでは」「なぜこれほど上がるのか」との内容が大半で、各区役所の窓口も対応に手いっぱいの状態。介護保険料の通知を受け十六日以降、さらに混乱も予想される。

 長田区役所では十五日、始業とともに窓口に列ができた。声を荒らげる人や、二時間近く待ち、あきらめて帰る高齢者の姿も。国保料が年間約五万五千円上がったという男性(70)は「制度が赤字で苦しいのは分かるが、事前に説明がないと生活設計が立たない。国は国民を守らず、苦しめにかかっている」と嘆いた。

 中央区の老人ホームで暮らす女性(70)は、四倍近く上がった国保料に驚いて区役所を訪れた。「窓口では『国の制度が変わったので』と言うばかり。怒りをどこにぶつけたらいいのか」
 一方、長田、西区を除く区役所前では同日、市民団体「高齢者のくらしを守る市民の会・神戸」が市に救済措置を求める署名活動をし、午前中だけで約八百人分が集まった。

 東灘区役所前では、相談に訪れた市民が次々と署名。阪神・淡路大震災で自宅が全壊、身体障害者の妻と県営住宅で暮らす男性(75)は昨年、月一万三千円だった国保料が五万三千円に上がった。今もアルバイトをしており、「どうやって生活しろというのか。国に迷惑をかけないよう頑張ってきたが、体がいつまでもつか」と不安を
訴えた。

 市保健福祉局は「膨らむ給付を支えるため広く公平な負担が必要。制度の趣旨を理解してもらえるよう、今後も十分な説明をしていきたい」と話している。

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2006/04/17

若者の雇用問題、日仏比較

朝日新聞(2006/4/17)に、フランスの新雇用政策に関して日仏の比較記事。フランスだけでなく、EU全域で、グローバル化による雇用問題、特に若年層の雇用問題の矛盾が出てきていますね。若年層を試用期内に解雇可能だという新雇用政策(CPE)の背景には、グローバル化による雇用の流動化が求められている一方、中高年の雇用の安定(つまり終身雇用、手厚い身分保障)が若年層や、移民若年労働市場を圧迫しているのではないかという、構造的な問題もあるようですね。今回のCPE反対運動には、移民の側は比較的冷ややかだったと。CPEが撤回されても、移民の労働市場には影響ないという判断ですね。EU統合で、市場が広がると同時に、域内の安い労働力が流入して、賃金の相対的低下が起こるわけで、雇用政策と失業率の引き下げが、政府の大きな課題になることは、まちがいない。セイフティネットの整備とともに、オランダのようなワーク・シェアリングの具体化が鍵になるのかな。

一方、仏では、CPEの前に、理由なき解雇が可能なCEN政策が05年に成立している。これは、20人以下の零細企業対象(仏はほとんどが零細企業に相当)。域内のグローバル化で雇用条件を切り下げざるを得ないという判断みたいです。このCEN問題の方も、矛盾が出てくると大きな問題として再燃しそうです。

日本では、派遣労働法以降、若年者の失業率が上昇し、臨時雇い、研修生として雇用。仏以上に、理由なき解雇可能な雇用状態で、賃金の相対的低下を招いている。すでに、非正規社員は半数に迫る。派遣労働法や雇用労働の変化に、正規社員中心の労組では対応できないまま。また、本来国がすべきであった社会保障の一部を企業が負担するという、特殊な慣習から、徐々に撤廃し始めているので、大企業、中小企業間と、正規社員・非正規社員の格差はますます広がりそう。

「企業福祉の終焉 - 格差の時代にどう対応すべきか」( 中公新書)は、格差論の橘木俊詔さんの本。タイトル見た時に、逆にもっと充実を求めるべきじゃないのと思った本ですね。日本独自の企業福祉が、大企業と正規社員への二重の福祉になり、中小企業と非正規社員との格差が広がると指摘。国や自治来の責任で、「福祉」を一本化すべきという提案。

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2006/04/09

公立病院の治療代未払い急増

朝日新聞に、公立病院治療代未払い急増という記事。
公立病院の治療代未払い急増 低所得者の増加など影響。不況と所得の減少、医療費改革による負担増で、公立病院の治療費の未収が年々増えてきているという記事ですね。特に、病気と切り離せない、高齢者の医療費の負担増も大きいようです。生活保護世帯の増加や、保健料の未納者が増え、保険証の失効による全額負担で、結局未収に陥るようです。

保険料の未払いが増えて来ているので、自治体も未納についてはかなり厳しく対応せざるを得なくなり、未納者の保険証を停止させ、仮の検証を発行して全額負担させ、保険料支払ったら正規に戻すということにしているようですが、結局夜逃げ同然で踏み倒すのだろうか。公立病院の負債は、結局税金で補うことになるので、健康保険の負担増に繋がる医療費改革の方向が、このままでいいのかどうか問われています。

「払わない」のか「払えない」のかという判断は、確かに難しいですが、払いたくても払えない層が確実に増えてきているようには思います。モラルハザードについては、一定の生活が維持できているのに関わらず、給食代を払わない親がいるという批判も聞きますね。また、大学の、返済しないといけない奨学金を踏み倒す人が急増しているので、取り立ての方法を厳しくしているとも聞きます。日本の大学奨学金制度は、親の収入以外に、学生の勉学の意志や成績などを元に決定はしているのだろうが、格差社会の中で、借りたものは返すという、当たり前の約束すら遵守できなくなってきている風潮を生み出しているのは事実みたい。

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2006/04/08

障碍者団体の互助会が無認可共済として規制

毎日新聞に、「縦並び社会・格差の源流に迫る」というシリーズが連載中。

内容は、テレビでもよく報道される、タクシー運転手の労働強化と低賃金化の実態、小泉政権の規制緩和路線を引っ張る、宮内義彦・現オリックス会長、竹中平蔵総務相へのインタビュー、低賃金化にお墨付きを与えた派遣労働や時間外労働、過労の実態、大店法による大型大型資本の優遇と大店法見直しによる資本の郊外への流出という二度に渡る商業政策変更で、空洞化してしまった中心部の商店街、という連載です。

今回の記事は、障碍者団体内で作っている、医療費を助け合う互助会が、「無認可共済」だとして、すべての共済に保険会社と同一の規制を求める規制強化で、立ち行かなくなっているという問題。確かに、金融機関の利子低迷もあって、怪しげな無認可共済からみの金融事件が多いこともあっての規制なのでしょうが、この背景には、アメリカ政府そして、ロビー活動を続ける米保険業界の圧力を受けての規制強化みたいですね。牛肉の輸入再開問題でも、日本政府は、国民の意向を無視して、外食産業やアメリカ政府と食肉業界の方を向いています。牛肉や保険だけでなく、「規制緩和」(自分たちの都合のいい部分では逆に規制強化?)のかけ声が、実はアメリカの意向を受けて、アメリカの利益に繋がっているという指摘の声もよく聞きます。郵政民営化問題も、アメリカの意向だという指摘があったものの、あまり議論されることもなかったですね。

関岡英之「拒否できない日本 アメリカの日本 改造が進んでいる」(文春新書)に、公表されたアメリカの公式文書の中に、日米構造協議など後に日本に約束させて実現させた政策が述べられていることを指摘しています。同じような試みの本に、原田武夫「騙すアメリカ 騙される日本」(筑摩新書)。

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